コゾノ式 良 く な る 通 信［Gold］第06号
◎ 上海「離土農民」の社会保険が、改正されていた！
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━：2013.01.06発刊：◎◎◎
おはようございます！
［良くなる人事・組織研究所］の小園でございます。
いきなりですが、「質問」です。
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● ワーカーの中に
「土地を接収された代わりに、社会保険を納付済み」
となっているため、社会保険５種類のうち３種類だけ
を納付するだけで良い従業員がいる。
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［ＹＥＳ］の方、今回のメールマガジンは［必読］です！
上記「該当者」の１月から社会保険料が、最大［１２倍増］に
なってしまう！？、、、というニュースです。
実は、コレ。
「新年の新しいニュース」ではなく、昨年１１月に「密かに」
公布されていたのです。
地元の「民営系派遣会社も知らなかった･･･」という情報です。
ぜひ、ご一読ください。
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＜今回のポイント＞
★［離土農民］の再就職、社会保険料納付の調整に関する通知
～ 滬府発［2012］96号 ～
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通知原文↓↓
http://www.shanghai.gov.cn/shanghai/node2314/node2319/node12344/u26ai33884.html
※ 出所：中国上海市政府ＨＰ
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（通知文要約）
● 上海市の規定に従って、基本養老・医療保険料を一括納付済みの
［離土農民］が再就職した場合でも、
２０１３年１月分の社会保険料から［関連規定］に基づいた
［全ての社会保険］に加入しなければならない。
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まず、［離土農民］とは何でしょう？
［離土農民］とは、開発区などを建設するために「農地を接収」
されてしまった農村戸籍者を指します。
その接収の際には、色んな「補償」がなされています。
ときに、元の農地に建設されたマンションの一室を当てがわれる
ことも。
・・・そのマンションが後に高騰して、財を成した農民さんも
上海にはたくさんいらっしゃいます。
そして、接収の「補償」として、
● 15年間の［養老保険］・［医療保険］を一括納付する
というのもあります。
今回の通知は、コレに該当します。
こういった［離土農民］を企業が雇用した場合、
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●［今までは］、失業・労災・生育の３種類の社会保険だけ加入
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でＯＫだった、、ワケです。
しかし、今回「密かに」公布された通知によって、
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●［今月からは］、納付額の大きい［養老保険］・［医療保険］
を含めた［５種類全て］に加入しなければならない
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に［変更］されることになります。
既に「１５年分一括納付」されているのに、さらに「二重で納付
せよ」という「無茶な通知」、、と感じてしまいます。。
ただ、「通知」によると
● 「社会保険法」の確実な実施
を「根拠」にしています。
「外国人の社会保険加入」については、結局上海市は２０１２年中
に強制する通知を出しませんでした、が。
「中国人の社会保険加入」については、徹底するつもりなのかも
しれません。
それに、「農地接収当時」の賃金水準で１５年分を一括納付して
いるとしたら、１５年分どころか数年分程度の金額でしかないの
かもしれません。
何せ、この１０年間で［社会保険の基数］になる上海市平均賃金は、
［２倍以上］になっていますから。
『 政府が必要とするお金は、企業から徴収するのが中国だ 』
・・・とは、民営企業の総経理がよくおっしゃるコトバです。
こういったモロモロの事情を踏まえて、、ということなのだと
思われます。
さて。
１月の社会保険料は、２月に納付です。
なので、これから管轄当局から具体的な指示があるかも、、
しれません。ご注意ください！
問題は、「納付額」です。
上海の社会保険は、全国的に見ても［養老保険］・［医療保険］
の納付比率（額）が大きいですからね。
今回は、［上海市の離土農民］が対象ですので、追加加入となる
社会保険は、２種類しかありません。
［Ａ］：城鎮保険
［Ｂ］：小城鎮保険
このどちらか。
［Ａ］or［Ｂ］のどちらが適用になるのかは、、
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● 現在加入している３種類（失業、労災、生育）の社会保険が
［Ａ］：城鎮保険 であれば、［Ａ］に。
［Ｂ］：小城鎮保険 であれば、［Ｂ］に。
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・・・となるのが「基本」のようです。
詳細は、「管轄当局」にご確認ください。
では、どのくらいの［コストアップ］になるのでしょうか？
［Ｂ］の場合、１月～３月が［社会保険法］によって社会保険制度
［移行期］の最終年度です。
４月からは、納付比率は［城鎮保険（Ａ）］と同じになります。
※ 「外地の農村戸籍者」が加入している［旧・総合保険］に
ついては、［移行期］があと２年あります。
・・・ちょっとややこしいのですが、バックリ試算してみました。
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［Ａ］：城鎮保険 の場合
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① ２０１３年１月～３月の［納付比率］と［納付額］
［基数］（下限）：上海市 平均月額賃金の60％（＝2,599元）
※ 上海市平均月額賃金は、毎年４月から改正
［比率］：養老保険（会社：22％、個人：8％）
医療保険（会社：12％、個人：2％）
［納付額］：養老保険（会社：約572元、個人：約208元）
医療保険（会社：約312元、個人：約52元）
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合計（会社）：［８８４元］
合計（個人）：［２６０元］
★ 総 合 計 ：［１，１４４元］
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［Ｂ］：小城鎮保険 の場合
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① ２０１３年１月～３月の［納付比率］と［納付額］
［基数］（一律）：上海市 平均月額賃金の60％（＝2,599元）
［比率］：養老保険（会社：19％、個人：8％）
医療保険（会社： 9％、個人：2％）
［納付額］：養老保険（会社：約494元、個人：約208元）
医療保険（会社：約234元、個人：約52元）
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合計（会社）：［７２８元］
合計（個人）：［２６０元］
★ 総 合 計 ：［９８８元］
② ２０１３年４月～２０１４年３月の［納付比率］
［基数］（一律）：上海市 平均月額賃金の60％（＝2013年3月発表）
［比率］：養老保険（会社：22％［＋3%］、個人：8％）
医療保険（会社：12％［＋3%］、個人：2％）
※ ２０１３年４月から過渡期措置が終わり［城鎮保険と同水準］に
※ ２０１３年４月以降の納付額については［Ａ］の試算がミニマムに
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つまり。
もし、対象となる［離土農民］が［最低賃金］だとしたら・・・。
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● 上記［★ 総合計］の金額が、［そのまま］コストアップ
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ってことになってしまいます。
上海市の最低賃金は、［手取り］ですので。
上記の［個人負担分］も［会社が負担］しなければなりません。
だとしたら。。
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● ３種類だけ加入だった［今まで］のコスト（社会保険料）
失業（1.7％）＋労災（0.5％［最低］）＋生育（0.8％）
＝ ☆ 合計［約１０４元］
※ 失業、労災、生育保険は、［Ａ］［Ｂ］ともに比率は同じ
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ココに［★ 総合計］が上乗せされますので、、
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● ５種類加入になる［１月以降］のコスト（社会保険料）
［Ａ］の場合：104元（☆）＋1,144元（★）＝［１，２４８元］
［Ｂ］の場合：104元（☆）＋ 988元（★）＝［１，０９２元］
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● 最大［１２倍］！！
ということになってしまいます。。
・・・［外国人の社会保険加入を強制］に比べると「まだマシ」
なのかもしれませんが。。
早速、社内に［上海の離土農民］が何人いらっしゃるかご確認
ください！
その他、ご不明な点などがあれば、ご遠慮なくお申し付け下さい。
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◎ 編集後記 ◎
今回の情報も、とある中国人人事担当から、
「友人からこんなウワサを聞いたけど、本当？」という
お問い合わせをいただいて発覚しました。
何か気になるウワサ話があれば、何でもお問い合わせください！
徹底的にコトの真偽を調べてご回答いたしますので！
前回の［労働契約法 改正］についても、派遣会社側の意見
情報もお客さまからご提供いただきました。
次回は、「２０１３年予想」の続きで、この情報についても
会員のみなさま方とシェアしていきたいと思っています。
この［良くなる通信］が、『中国で最も信頼できる情報源』と
なれるように、２０１３年がんばります！
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました！
コゾノ式 良くなる人事・組織研究所：小園英昭
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┃◎┃コゾノ式 良くなる通信（Gold） 発行人：小園 英昭
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