2013(23号)[保存版]今からできる「派遣対策」総まとめ(13.06.19)

◎ コゾノ式  良 く な る 通 信 ◎ 第23号

[保存版]今からできる「派遣対策」総まとめ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━:2013.06.19発刊:◎◎◎

◎ 23号のポイント

  • [保存版]!中国・派遣規制の[ポイント]&今でもできる[対策]
    ● そもそも派遣規制って何だったっけ?(まとめ)
    ● 「今できる」3つの規制対策
    ● 『で、他社さんはどうしてるの?』(2013年6月時点)
      ~ちょっと「裏ワザ」から、「ガッチリ対応」まで

  •  「迷走」しています。
     「中国派遣規制」。

     方針がはっきりしない中でも、7月1日の施行日はもう間近。
     今できることは、取り組んでおきたいところですよね。

     そこで、今回お送りするのは、規制の当事者・派遣会社の経営者も推奨する

     ●「今できる対策とは?」

     です。

     中国流の「補助性」の解釈の仕方や、今まで断片的にお知らせして
     きた、[対策案のまとめ]。

     そして、私たちが聞いている範囲での他社さんの動向についても
     お送りします。

     「ちょっと裏ワザ的」な対応から、
     「弁護士を入れ費用をかけて、ガッチリ」対応の例まで。

     今回も「限定配信ならでは」の情報を満載でお送りします。

     現在「派遣」をご利用になられている企業さま、
     派遣規制の「総まとめ」としても、ぜひ最後までご一読ください。

    ◎━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◎◎◎
     <今回のポイント>

     ● 現時点で「できる対策」のまとめ
       1.そもそも派遣規制って、何だったっけ?
        ~ [派遣規制]の[3つのポイント]まとめ
       2.「今できる対策」まとめ
        ~ 万が一のときに[説明できる状況]作り
        A:[同一労働同一賃金]の対策案まとめ
        B:[三性]の[補助性]職位とは、どのように考えるべきか?
        C: 既存の[社内規程]チェック
       3.他社さんは、どうしてるの??
        ~「ちょっと裏ワザ」から、「ガッチリ対応」まで

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     順番に整理していきましょう。
     まずは、[派遣規制]って何がどうなるのか?
     サクッとおさらいしておきます。

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     1.そもそも派遣規制って、何だったっけ?
      ~ [派遣規制]の[3つのポイント]
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     その1、その2は、従来からあったけれど「適用が強化」される内容。
     その3は、新しく追加された「規制」の内容になっています。

     ● その1:[同一労働同一賃金]の原則
     —————————————————————
     ⇒ 例えば、同じラインに混ざって同じような仕事を流れ作業で行って
       いるのに、「派遣だから」という理由だけで「給与が違う」のは
       ダメ、、という規制です。
       これは、本格的に強化される方向で動いています。
     —————————————————————

     ● その2: 派遣できる職種は[三性]のみに限定

       1.[補助性]:
        「主要な業務」の職位に対してサービスを提供する
        「主要ではない業務」の職位を指す。

       2.[交替制]:
        派遣先(企業)の労働者が研修中(業務を休む中長期の研修中)
        や、休暇などの原因で一定期間に渡って仕事に従事できず、
        その他の労働者が交替している職位を指す。

       3.[臨時性]: [6ヶ月以内]の業務
     —————————————————————
     ⇒ 今までは、どんな職種でも「派遣」でも実質OKだったのですが、
       2013年7月1日以降は、上記1~3に該当する職種しかダメよ、、
       という規制です。
       [補助性]の定義があいまいで、問題になっています。
     —————————————————————

     ● その3: 派遣従業員の比率を一定範囲内に抑える[総量規制]
     —————————————————————
     ⇒ 全従業員に占める「派遣」従業員の比率を一定割合までに規制
       します、、というのが[総量規制]の意味。
       ただ、「派遣」は[三性]にしか適用されないことが前提なので
       実際に[総量規制]の対象となるのは[補助性の職種]のみに。
       政府内では、5~10%程度で調整しようとしていますが、実業
       界からの反発が大きく、まだはっきりしていない状態。
     —————————————————————

     次に、どこがはっきりしていて、何がはっきりしていないのか?です。

     「はっきりしていること」について、「今できる対策」としてまとめ
     てみました。

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     2.「今できる対策」まとめ
      ~ 万が一のときに[説明できる状況]作り
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     まずは、コチラから。
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      A:[同一労働同一賃金]の対策案
     ————————————

     これは、人材業界でも「本格的に強化されてくる」と見ているようです。
     ただ、単純に「同じ仕事をしているから同じ給与」とはなりません。
     以下の3点は、抑えておいてください。

     ● 同じ職位で働く労働者個人の経験、技能、積極性などの特殊要因に
       応じて、労働報酬に差をつけることは認める。 

     ●[金額]を同じにするのではなく[支給方法]を同じにすること。

     ●[給与(金額)]と[福利]は、ベツモノと考えてOK。

     カンタンに言えば、「派遣だから」という[理由だけ]で、
     同じ職位で仕事をしている人の賃金に差がつくのは、ダメ。

     ・・・それだけです。

     では、実務上はどのような[対策]をしておけば良いのか?

     例えば。

     『 いや、ウチの派遣ワーカーでも、優秀な人材は直接雇用に
       昇格させている。「派遣だから」と言う理由だけで「派遣」
       ワーカーが低賃金ということではないよ。 』

     こういうことであれば、以下の準備できっと大丈夫です。 

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     [同一労働同一賃金]対策

     1.直接雇用者の[等級]を大まかに分けて、直接雇用の一般
       ワーカーを最下級に設定する(仮に[1等級]とする)。

     2.派遣労働者を[1等級]のさらに下位の等級として新設する。
       (仮に[0等級]とする)。

     3.制度としては[0等級]のワーカーでも、一定基準を満たせば
       [1等級]に昇格できるようにする。

     4.[1等級]になれば、会社独自で設定している[福利]にも
       加入できるとする。

     5.今まで通り運用する
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     こんな風に、今やっていることを「制度っぽく」まとめてしまえば
     対策OK。合理的にキチンと説明できますので。
     ご参考まで。

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      B:[三性]の定義 対策案
       ~[補助性]職位とは?
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     次に[三性]ですが、定義をはっきり定めなきゃいけないのは、

     ●[補助性]だけ 

     ってことになります。

     では、この[補助性]。
     どんな風に考えれば良いのでしょうか?

     日本人的に「フツウ」に考えると、、、

     『 指示命令に従うだけの
      [補助的な作業(アシスタントや単純作業者)]じゃないの??』

     ・・・と考えてしまいがちですが。

     残念ながら、違います。

     規制の当事者・派遣会社の経営者が推奨する、[定義の仕方]は、
     こんな考え方でした。

     ●「自社の事業内容」に直接関与する職位 = [主要業務]

     つまり、、、

     ●「製造業」であれば、「製造に関わる仕事」は全て[主要業務]

     ということになります。

     例えば、「製造業」で「顧客サポートをしている職位」。
     これは、[補助性の業務]としてOKと。

     なので、その仕事に携わっている従業員が「多いか少ないか?」
     ではなく、あくまでも「自社の事業内容にとって主要か否か?」
     で考えることが必要、、、とのことでした。

     この「考え方」が、

     ● 中国での「合理的な考え方」として通用しやすい。

     そんな風にお考えください。

     なお、この[定義]については、、

     ● 社内の[民主的なプロセス]に従って、自社で決定する。

     とされています。

     [民主的なプロセス]とは、「従業員への説明とある程度の了承」
     が必要となります。

     日本的な[補助性]の考え方だと、「従業員への説明」で合理とは
     みなしてもらえない=反発が出てしまうかもしれません。

     この「考え方」にしてみた場合、どの職位が[補助性]と言えそうか?
     一度検討してみることが、[今できる対策]となりそうです。

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      C:既存の[社内規程]チェック
     ————————————

     あとは、今回の「派遣規制」に関連してくる「社内規程」をチェック
     しておくことでしょうか。

     規制の内容からして、以下2つの社内規程をチェックするように
     指示しておかれるのも良いかと思います。

     ● 就業規則
     ● 給与規程

     この「2つ」をチェックしておけば、ほぼ大丈夫でしょう。
     チェックポイントは、以下。

     これに該当する表記・条項があれば、修正する必要があるかもしれません。
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     社内規程(就業規則・給与規程)のチェックポイント
     □ 「派遣」の定義で不都合はないか?
       ※ もしくは「従業員(社員)」の定義
     □ 給与、昇進の機会、工会への参加権などで「派遣」が除外
       (差別的扱い)とされている表記がないか?
     □ 給与規程などで、「派遣は別にする」などと除外されていないか?
     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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     既存の[社内規程]は、「無料でレビュー」させていただいております。

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      3.他社さんは、どうしてるの??
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     それでは、最後に「他社さんは、どうしてるの??」です。
     色々な情報が入ってきているのですが、まとめてみます。

     まず、

     ●[ブルーカラー(ワーカー)]の従業員への対応
     ————————————————————–
     1.前号でお知らせした「業務請負(委託)」への切り換え 
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     大手国有系が中心ですが、コチラの方法があります。
     次に、「ちょっと裏ワザ」なんですが、、
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     2.派遣会社との「派遣契約」の日付を「2012年12月28日以前」
       にして締結してしまう
      ※ ただし、2012年12月28日以前から同じ「派遣会社」から
        派遣従業員を受け入れているような場合に限る
     ————————————————————–

     こういうのもあります。

     あと、もしかしたら一番多いかもしれないのが、、、 
     ————————————————————–
     3.様子を見ている。。
     ————————————————————–

     これなのかもしれません。

     そして、次に

     ●[ホワイトカラー層]の従業員への対応です。
     ————————————————————–
     1.派遣契約が切れた従業員から、順次「直接雇用」している
     ————————————————————–

     これが、まず1つ。
     そして、意外に(?)多いのが、、
     ————————————————————–
     2.様子を見ている。。
     ————————————————————–

     「詳細が決まってから動く」というもの。
     積極的に動いておられる企業様も、もちろんあります。

     ————————————————————–
     3.弁護士を入れて、速やかかつ穏やかに「移籍」させる協議書を
       締結していく
     ————————————————————–

     直接雇用の切り換えについて、強硬に権利を主張する従業員がいない
     場合などでは、こんな内容の「協議書」を締結して「移籍」を順次
     進めている例もあります。

     ————————————————————–
     [1]従業員と会社と派遣会社との「三方協議書」を締結する
     [2]「三方協議」では、派遣会社との「契約解除」と、
         会社との「労働契約の開始」とを兼ねた内容としている
     [3]「三方協議」の中で、以下を明記する
        ・ 「経済補償金」は、支払わない事
        ・ 「勤続年数」は、通算する事
     [4]「三方協議」によって、
        ● 法律上では「契約の更新回数もリセットされている」
          状態を作り上げておく
     ————————————————————–

     ・・・こうやって、今までと「何ら変わらない」状態を作り上げて
     「移籍」手続きを行っておられます。

     いかがだったでしょうか?
     
     今回は、ココまで。
     最後までご一読いただき、ありがとうございました!