2014(53号)[基礎知識04]2014年の上海市[高温手当]

◎ コゾノ式  良 く な る 通 信 ◎ 第53号

[基礎知識]シリーズ(その4)
2014年は、どうなった?上海市[高温手当]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━:2014.07.01発刊:◎◎◎

◎ 53号のポイント

    ◎ 上海市[高温手当]の素朴な疑問
    (1)『「新しい通知」は出てないようだけど、どうすりゃいいの?』
    (2)『高温でなくても[高温手当]の支給は必要なの??』

小園です。

夏です!
中国の「夏」と言えば[高温手当]です。
この[高温手当]も、中国によくある

 ● 各地域によって基準が異なる、地方性法規の1つ

です。

上海の[2014年高温手当]は、どうなっているのでしょう?
上海では、通常6月から9月が[高温手当]の支給対象期間です。

今年の上海は涼しく、6月末日時点で、最高気温は33.6度。
(※ 2014年6月14日:上海市中心気象台(徐家フイ局発))
35度を超えた日は「1日もない」状態になっています。

 ● 果たして[高温手当]は必要なのでしょうか?

今回は、こういった「素朴な疑問」を含めて
高温手当の[基礎知識]をまとめておきました。

ぜひチェックしておいてください。

それでは、今回も最後までお楽しみください。

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<今回のポイント>

どうなったの? 2014年度 上海市[高温手当]

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■ 上海市[高温手当] 素朴な疑問
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(1)『2014年に通知は出てないようだけど、どうすりゃいいの?』
(2)『高温でなくても[高温手当]の支給は必要なの??』

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詳細は本文(↓↓)をどうぞ・・・

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さて、[高温手当]です。
中国では国の政策で、

● 会社に対して、特定の「手当」を支給することが[義務付け]

られています。

時間外労働の[残業手当]なんかは、日本にもあるのでわかりやすい
のですが、中国では、、、

● 高温になる季節に支給が義務付けられる[高温手当]
● 「1人っ子政策」に準拠している場合の[1人っ子手当]

などがあります。

それから、、

● 会社に強制する[献血]制度

なんてのもあります。

また、

● 従業員が家を購入するときのための強制預金制度である[住宅積立金]

なんかも、同じ類の制度と言えるかもしれません。

「資本主義」の日本から見ると『 何それ?? 』と、違和感が
ぬぐえませんよね。

『 国の政策なら、国が払え! 』と言いたくなるお気持ち、
よ~く分かります。

ただ、「社会主義」の中国側の論理で考えると、
『 会社は、国家の資産である「土地」「人民」を借りて事業を
行ってるんだから、そのくらいは当然だろ! 』
・・・ってことなのかもしれません。

法定の[有給休暇]の制度にある[累計勤続年数]なんていう
概念もそう考えると理解できそうですよね。

※ 中国[有給休暇の累計勤続年数]については、改めて[基礎知識編]で
とりあげていく予定です。

さてさて、
そんな[高温手当]。

地域によって基準額も支給条件も異なるのですが、毎年「通知」が出される
ワケではありません。

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(1)『2014年に通知は出てないようだけど、どうすりゃいいの?』

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全国的に同様ですが、[高温手当]の通知は、

● [不定期]に更新されています。

上海の場合、直近では[2011年7月]に更新されています。
(※ 2014年7月現在。以下、[2011年版]と呼称します)

その前が、4年前の[2007年]版でした。

[2011年]版の更新時に内容が、従来よりも「大きく変更」されてるのは
ご存知でしょうか?

労働局(人力資源社会保障局)は、こう説明しています。

  ●『 何も新しい通知がない場合、直近の通知内容に従う 』

つまり、当年に何の通知もなければ、

●[直近の通知](=[2011年版]の通知)

の内容に従うことになります。

2014年は、周辺地域(北京、浙江省など)では[高温手当]が引き上げ
になっているところもあります。

上海市でも、2014年中に[引き上げ]があり得るのでしょうか?
気になるところです。

残念ながら、当局からの公式なコメント・通知文はありませんが、
こんな「ニュース」が小さく報道されていました。

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『上海の今年の高温手当は毎月200元』(2014年6月21日)
(原文) http://splandid.com/Item/236474.aspx
出所:上海商報
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この「ニュース」の中では、当局の人が

『2014年の上海市の高温手当は、2011年の法規規定に従う』

と明確にした、、としています。

確定とまでは断言できませんが、6月から始まっている
2014年・上海市の[高温手当]は、

● 2011年の通知内容に合わせておけば大丈夫

、、とお考えいただいて大丈夫です。

では、
2011年の通知とはどのような内容だったのでしょう?

また、2014年6月は涼しい日が多く、35度を超えるような日は
1日もありませんでした。

こんな「疑問」をお感じかもしれませんね。

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(2)『高温でなくても[高温手当]の支給は必要なの??』

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と。

[2011年版]通知に、その答えがあります。

コチラです↓↓

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【要約】当市企業[高温季節手当]基準の調整に関する通知
(滬人社綜発[2011]43号)
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◎ 通知原文
http://www.12333sh.gov.cn/200912333/2009xxgk/zhxx/gfxwj/ldbc/201107/t20110704_1131433.shtml
出所:上海市人力資源社会保障局(2011年7月1日)
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◎ 要約

一、企業は、毎年6月から9月までの期間、

● 労働者に高温の天候での[露天作業]をさせる場合、
● 有効な措置を取って、作業現場温度を
[33℃以下]に下げなれない場合、

労働者に[高温手当]を支給しなければならない。
支給基準は[毎月200元]である。

二、企業は、労働保護の[高温手当]を支給すると[同時に]、
継続して夏季作業場では[清涼飲料水]を提供しなければ
ならない。

四、本通知は[2011年6月1日より施行]し、
「滬労保綜発[2007]30号」を同時に[廃止]する。

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現状ですと、この内容が2014年も適用されることになります。

先ほどご説明したように[2011年版]の通知は、
直前の[2007年版]から内容が大きく2点変更されています。

こんな風に(↓↓)

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◎ 上海市[2007年版]の規定内容
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● 屋外で[35度]以上
もしくは、
● 作業場を[33度]より下げれない(33度は含まない)場合

◎ [高温手当]として、最低[1日10元]を支給せよ

———————————————————-

↑↑この内容が、こう変わっています↓↓

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◎ 上海市[2011年版]の規定内容
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● 屋外(露天)で作業する者
もしくは、
● 作業場を[33度]より下げれない(33度は含まない)場合

◎ [高温手当]として、[1ヵ月200元]を支給せよ!

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つまり、、

(1)[高温手当]の金額:
⇒ 旧)1日10元 → 新)月額200元

(2) 適用対象者の[適用条件]:
⇒ 旧)屋外で[35度]以上 → 新)屋外での温度基準[削除]

・・・と、上海の[2011年版]では、

  ●[屋外]勤務の温度基準が[削除]

されています。

以上の内容をまとめると、2014年は以下の内容で適用される
と言えます。

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◎ 上海市[2014年]の適用条件と金額
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● 屋外(露天)で作業する者
⇒ 外気温に関係なく、6月~9月の4ヶ月間は、
月額200元の[高温手当]を支給

● 作業場を[33度]より下げれない(33度は含まない)場合
(工場内で、33度を超える高温な作業環境で働く場合)
⇒ 6月~9月の4ヶ月間は、
月額200元の[高温手当]を支給

● 空調のあるオフィス内で勤務する従業員の場合
⇒ [32度以下]で働く従業員には[高温手当]は[不要]

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このようにご理解ください。
あくまでも、[上海市の場合]です。

地域によって、細かな適用基準や当局の説明などが異なりますので、
ご注意くださいね。

・・・とは言え、こんな「??」が浮かんでおられるかもしれません。

『 もし、7月以降に高温手当が引き上げとかになったら、
どうなるの?? 』

とか、

『 従業員が「通勤時に高温にさらされるから」という理由で
オフィスに勤務しているのに高温手当を要求されてる。
どうすれば良い?? 』

次回、こんな「よくある質問」でもあり、
従業員からの要求にまどわされないための「マメ知識」にもなる
[7つのポイント]を一気にご紹介します。

ぜひ、楽しみにしていてくださいね!

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コゾノでした。