◎ コゾノ式 良 く な る 通 信 ◎ 第27号
えっ!?と驚く、派遣規制・細則の中身
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━:2013.08.15発刊:◎◎◎
◎ 27号のポイント
[意見徴収案]、3つの法律的な「矛盾点」とは?
● 派遣従業員は[固定期限契約]が、強制ではなく同意!?
● 派遣従業員の[送り返し]条件が緩和される!?
● [2013年7月1日以前の派遣契約]が満了まで有効に!?
おはようございます。
小園でございます。
さて、先日[速報]でお伝えした「派遣規制の細則[案]」ですが、
読み込んで詳細を調べてみると、今までの印象と大きく[様変わり]
していることが分かりました。
例えば、、
□ 派遣従業員とは[無固定期限契約]しなくて良い!?
□ 派遣従業員の[送り返し]条件が、緩和されてる!?
□[2013年7月1日以前の派遣契約]が満了まで有効に!?
□ 親子会社間での[人員のやり取り]が自由化!?
など。。
『 もしかして、これって[会社に有利]じゃない?? 』
『 「対策」できるような道が用意されている?? 』
とさえ感じてしまう内容まで盛り込まれていました。
・・・どうやら、派遣を大量に使っている「国営企業」と当局間で
「相当な駆け引き」があったようです。
あくまでも、まだ[案の段階]です。
決定した内容ではありません。
「法律的な矛盾」や「実務上不可能」と言われる内容も含まれて
いる、、と弁護士も指摘していました。
ただ、今後の[要注意ポイント]がどこになるのかをチェックして
おくことはできると思います。
そこで、今回は
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◎ なるほど・派遣規制 (その1)
法律的な「矛盾点」から見る、派遣規制3つのポイント
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と題して、[派遣規制のポイント]を抑えて頂ける内容にして
お届けします。
次号の「その2」では、[罰則]と考えられる[対策案]について
詳しく見ていきますので、楽しみにしておいてください!
それでは、今回も最後までご一読ください。
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<今回のポイント>
◎ なるほど・派遣規制 (その1)
法律的な「矛盾点」から見る、派遣規制3つのポイント
1.派遣従業員は「無固定期限契約」が、強制ではなく同意!?
2.派遣従業員の「送り返し」条件が緩和される!?
3.[2013年7月1日以前の派遣契約]が満了まで有効に!?
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労務派遣の若干規程(意見徴収案)に関する公開意見徴収の通知
(2013年8月7日)
※ 意見徴収案(原文)はコチラから
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こんなニュースがありました。
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※ 草案発布に至るウラ話ニュース(原文)
http://www.cb.com.cn/economy/2013_0810/1007984.html
出所:中国経営網(2013年8月10日)
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このニュースによると、5月頃に[意見徴収案]の「原案」は既にできていた
そうです。
[総量規制の過渡期的措置]の導入が提言されたり、利害調整の
議論が重ねられてきたと思われます。
結果からの「推測」ですが、最終的にはこんな駆け引き・交換が
なされたのではないでしょうか。↓↓
● 当局側:総量規制「10%以内」
「三性(臨時性、交替性、補助性)」
「同一労働同一賃金」
企業側は、これらの「大義名分」を受け入れる代わりに、
● 企業側:「無固定契約の義務」から逃れる
「業務請負」などの「対策案」の実質的な許可、道筋
といった「実利」を交換した、、、なんて感じでしょうか。
こういった[背景]があったとすれば、この「3点」は理解できる
気がします。
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1.派遣従業員は「無固定期限契約」が、強制ではなく同意!?
2.派遣従業員の「送り返し」条件が緩和される!?
3.[2013年7月1日以前の派遣契約]が満了まで有効に!?
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そして、この3点。
密接に関連しています。
一気に見ていきましょう。
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1.派遣従業員は「無固定期限契約」が、強制ではなく同意!?
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[意見徴収案]第8条
派遣会社と派遣従業員は、2年以上の固定期間労働契約を締結しなけれ
ばならない。
[ 双方が協議一致の場合、無固定期限契約を締結[できる]。 ]
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このように、[意見徴収案]の中で
● [協議一致]の場合、無固定期限契約を締結[できる]
と明記されています。
明らかに[義務とは読み取れない]表現になっていました。
さらに!
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2.派遣従業員の「送り返し」条件が緩和される!?
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[意見徴収案]第23条
以下の状況のいずれかに該当する場合、派遣先企業は派遣従業員を
[送り返す]ことができる。
(中略)
(3)派遣先企業が、
[臨時性、補助性、交替性の職位ではない派遣従業員]、
あるいは、
[総量規制の比率を超える派遣従業員を送り返す]場合
(送り返しによって)派遣従業員に仕事がない期間中、派遣会社は、
当地の人民政府が定める規定に従い、毎月[最低賃金支給]しなければ
ならない。
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『 えっ!! じゃ、今からでも
三性でない派遣従業員や、10%を超える補助性派遣従業員は
派遣会社に送り返せるの!? 』
・・・と、誤解されやすい箇所なので、もう少し読み進めてください。
まず、[送り返す(退回)]という概念が分かり難いかもしれません。
この概念は、今までも既にありました。
派遣会社と自社で締結している[派遣契約書]には[送り返す(退回)]
条件が明記されていると思います。
ただ、今まで(規制前)は、
● [送り返す]条件 ≒[契約解除]の条件
になっていたんです。
ですので、これまでは[送り返す]と[契約解除]が「ほぼ同じ扱い」
になっていました。
今回の[意見徴収案]では、この[送り返し]をより明確にしています。
そして、、、
● 今まで(規制前)よりも[送り返し]の条件が緩和される
とも言えそうです。
[送り返す]だけなので、自社には「いなくなる」んですが、
● 派遣会社との労働契約は生きている状態(=契約解除ではない)
です。なので、1.で示した[第8条]にある「2年以上の固定期間
労働契約」は生きたまま、、なんです。
ですので、
●[送り返し]の後も、給与(最低賃金)は[発生し続ける]
となっているワケです。
ちなみに、Fescoなどの大手派遣会社の定型「派遣契約書」では、
会社清算などの場合に[送り返し]となり、派遣会社との[労働
契約は継続]となっています。
そして、契約書上では
●[送り返し]の後でも[現状給与を払い続けること]
となっています。。
あくまでも「契約書上」での話で、この条項が適用されることは
なかったと思います(私の知る限りでは)。
ですので、今後(規制後)の「派遣契約」には、こんな内容が
盛り込まれるハズです。
●[送り返し]があっても、派遣契約満了までの本人給与
(最低賃金)は、[派遣先企業が負担する]と。
これは、チェック項目として知っておいてください。
ちょっと、ややこしいですが、ここまでは大丈夫でしょうか?
では、冒頭の疑問に戻りましょう。
さて、この[送り返し]。
◎ 今からでも、[規定を超えた派遣人数だから]という理由で
[送り返す]ができるのか??
ですが、これはズバリ
◎ できません。
3.の内容になります。
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3.[2013年7月1日以前の派遣契約]が満了まで有効に!?
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[意見徴収案]第39条
[修正決定(労働契約法の修正:派遣規制の法律)を施行する前]に
既に締結された労働契約と派遣協議は、
その[期間が満了するまで継続して履行される]。
(ただし)派遣先企業は、
・ 臨時性・補助性・交替性の職位規定に合致しない、
・ 派遣の総量規制を超えている
・ 派遣会社が法律に定める行政許可を取得していない
という理由で、[派遣従業員を送り返してはならない]。
(中略)
派遣先企業が、[修正決定を施行する前]に臨時性・交替性以外の職位
での派遣従業員数が、総量規制の制限を超えている場合、
・ 総量規制の制限を満たさないままで、新たに補助性の派遣従業員を
使用してはならない。
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まずは、(中略)前の前半部分。
ここは、弁護士も指摘する明らかな[法律との矛盾点]です。
[労働契約法の修正]では、
●[2012年12月28日以前に締結]した派遣契約は有効
とされていたのですが、今回の[意見徴収案]では、
[労働契約法の修正]の施行前。つまり、、
●[2013年7月1日以前に締結]した派遣契約は有効
に変わっています。
そして、[7月1日以前]の派遣契約では、
● 規定を超える派遣の[送り返し]は[NG]
としていることになります。
ということは、、、ですよ。
●[7月1日以降]入社の[規定を超える]派遣の受け入れは[OK]
、、とも解釈できてしまう気がします。
ただし。
後半部分です。
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・ 総量規制の制限を満たさないままで、新たに補助性の派遣従業員を
使用してはならない。
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・・・とあるので、
◎ まずは、現状を[総量規制の範囲内]にすること。
これを「先」に行わなければならない。
でも、なんだか[派遣規制]が「骨抜き」になってしまうような
[対策の1つ]が見えてくるような・・
さらに!
他にも「骨抜き」になり得るような企業側の「対策」も、この
[意見徴収案]からは見え隠れしています。
それが、上にチラッと書いた
□ 親子会社間での[人員のやり取り]を自由化!?
□ 「業務請負」などの「対策案」の実質的な許可、道筋
という部分です。
「10%の総量規制」など当局側の[大義名分]を飲んだ国営企業群。
対して得た[実利]は、「したたか」なのかもしれません。
「グレー」な部分に入ってくると思いますが、今「どこまでグレーか?」
を確認しています。
次号では、この[対策案]の詳細と[罰則]について、
詳しく見ていきます。
「グレーゾーン突入!?」な次号を楽しみにしていてくださいね!
今回も最後までご一読いただき、ありがとうございました!
コゾノ式 良くなる人事・組織研究所:小園英昭