◎ コゾノ式 良 く な る 通 信 ◎ 第35号
日本のマスコミは教えてくれない「3中総会」3つのポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━:2013.11.20発刊:◎◎◎
◎ 35号のポイント
- 実務面から見た[3中総会]、3つのポイント!
(1)『 2人目OK 』:1人っ子政策の緩和
(2)『 延長決定! 』:定年退職年齢
(3)『 格差縮小 ⇒ 平均向上 』:いよいよ「アレ」が!?
小園です、、
さて、今回は中国共産党の重要会議である[3中総会]こと、
● 第18期 中央委員会 第3回総会
で、決定した内容を[現場で戦う総経理]専用にまとめてみました。
これからの政策に重大な影響を与える「方針」が明示されています。
この会議で決まった内容について、
「大まかに、どうなった?」
ではなく、
「これから、実務面でどんな影響が出そうなの?」
に焦点を合わせてポイントを絞ってみました。
来期の予算などでお忙しい時期だと思いますが、
ご本社に対して主張したいことの「根拠」などにご利用いただける、、
かもしれません。
ざーっと流し読みでも目を通しておいてください。
それでは、今回も最後までお楽しみください!
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<今回のポイント>
◎ 日本語の大手マスコミは教えてくれない!?
実務面から見た[3中総会]、3つのポイント!
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[3中総会]決定内容の全文(原文)は、コチラ 出所:新華網
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【 重要3つ 】
(1)『2人目OK』:1人っ子政策の緩和
~ 夫婦どちらかが1人っ子であれば、2人目を認める
⇒ 当局では「大都市圏では大きな影響はない」と予測
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関連ニュースの原文は、コチラ 出所:新華網
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(2)『延長決定!』:定年退職年齢
~ ただし、徐々に、ゆるやかに
⇒ 専門家は「2年で1歳延長」などの長期ペースになると予想
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関連ニュースの原文は、コチラ 出所:新華網
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(3)『格差縮小 ⇒ 平均向上』:収入配分を強化!
~ いよいよ、給与の「集団協議」が動き出す!?
⇒ 低所得を引き上げ、中所得を拡大し、高所得を抑制するため、
「給与の集団協議」の制度化を推進へ
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関連ニュースの原文は、コチラ 出所:新華網
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●『 [3中総会]って、何よ?? 』
そこから、カンタンにご紹介していきますね。
「第3回目の全体会議」は、中国の制度だと、
新しい国家主席が、この席上で
「自身の任期中にどのような政策を打ち出そうとしているか?」
を明確に打ち出す[極めて重要な会議]と位置づけられています。
例えば、トウ小平さんによって[改革開放路線]が打ち出されたのは、
第11期の[3中総会]のこと。
[社会主義市場経済]体制が打ち出されたのは、
第14期の[3中総会]でした。
習近平さんの方針が、今回の第18期[3中総会]となります。
・・・と、難しい政治のことは、専門の方に任せておいて。
このメールマガジンでは、
●『 で、ウチの会社にどんな影響があるのよ?? 』
ココにこだわっていこうと思っています。
さて。
中国事業の「実務」に影響を受けそうな主な内容として、
この3つを取り上げてみました。
(1)『2人目OK』:1人っ子政策の緩和
(2)『延長決定!』:定年退職年齢
(3)『格差縮小 ⇒ 平均向上』:いよいよ「アレ」が!?
では、これらがどのように影響してきそうなのでしょうか?
今回の[3中総会]の内容を受けて、各方面の専門家さんや当局の方々
の発言を取り上げたニュースや、直接聞いてきた内容をまとめてみると
こんな感じになりそうです。
1つづつカンタンにご紹介していきます。
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(1)『2人目OK』:1人っ子政策の緩和
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今、現在も「夫婦がともに1人っ子」である場合には、「2人目の出産」
が認められています。
この制度を「夫婦のどちらかが1人っ子」であれば、「2人目の出産」を
認めるようにしましょう、、という方針です。
・・・ちなみに、最近の中国TVニュースでは
「 方針が決まっただけで、まだ正式決定ではありませんよっ!
今、2人目産んじゃったら「1人っ子政策違反」になっちゃうので
注意してくださいね! 」
と繰り返し報道しているそうです。
では、いつから実施されるのでしょう??
これは、、
● 具体的な全国統一スケジュールは定めずに、
各地方政府が個別の状況に応じて、それぞれ「法律」を定めて実施
ということになっています。
11月19日付けの時事通信さんのニュースでは、「北京市では2014年にも
制度化する方針で動いている」と報じていました。
『 えっ!!
じゃ、子供がいる女性社員もまた産休取ることになるの!? 』
と思われるかもしれません。
ただ、来年にもスグそうなるか、、というと、そうとも言い切れない
ようですね。ホラ↓↓
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北京市計画出産部門の関係者によると、同市の実際の出産率と出産適齢期
の夫婦の出産意欲は高くないため、現時点で緩和しても急激な人口増加には
ならないだろう
~「北京時事」2013年11月19日記事より一部引用
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だいたい、どこの専門家さんも同じような予測をしておられます。
大都市圏では、「急激な変化」とまではならないのではないでしょうか。
「外国人の社会保険加入」の制度化(義務化)も、最も早かったのが北京。
中央政府は「具体的なスケジュールは明示しない」とのことですので、
実際には、地域ごとにかなり「ムラ」が出てくるのではないでしょうか。
・・・では、いつまでに「実現」するのか??
それはまた後ほど。。
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(2)『延長決定!』:定年退職年齢
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事前の専門家の意見では、「定年退職年齢の延長はないだろう」と
言われていたのですが、[方針]として明示されました。
でも、コレも「来年からスグに5歳延長!?」・・・なんてことには
なり難いようです。
「専門家の意見」だと、年金の受給状況の管理など、システム的にも
カンタンに対応できるものではないそうです。
また、「定年退職年齢の引き上げ」とは「年金の受給の先送り」と
同じ意味になりますので、社会的な反発も大きいと。
ですので、専門家の「予想」では、、
● この2年間のうちに定年退職年齢を1年引き上げ
といった運用になると考えるのが現実的だ、、とのことです。
・・・では、いつまでに「実現」するのか??
それはまた後ほど。。
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(3)『格差縮小 ⇒ 平均向上』:収入配分を強化!
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長らく「先送り」にされてきた、[給与の集団協議]の法制化が加速
されることになるかもしれません。
今回の会議で、以下の3点がはっきりと明示されています。
● 給与の決定、昇給の制度の健全化
● 最低賃金、給与の支払い保障を完全化
● 給与の[集団協議制度]の推進
と。。
そして、
「低所得者」を引き上げ「中所得者」を拡大し「高所得者」を抑制する
ことで、[釣鐘型]の所得配分を実現させる、、、と。
つまり、
◎ [格差]を縮小して、[平均]を底上げしよう!
という方針ですね。
コレを実現しないと、社会不安がもっともっと増大してきてしまい
ますから。
・・・しかし。
「底上げしよう!」といくら叫んでも、企業側の[資本の論理]から
すれば、経営側からカンタンに[昇給]が引き出せるハズもありません。
[昇給]を引き出させるには、[集団協議]という方法が有効です。
日本でも、高度成長時代には「労働組合」が代表して、経営側に対して
ときに激しい団体交渉を行って来た歴史があります。
「所得の底上げ」を実現させるには、給与の[集団協議]を認めざる
を得ないでしょう。。
しかも!
[期限を定めて]一定水準まで「所得の底上げ」を行うことが、
中国共産党の「メンツ」をかけた方針だとしたら・・・。
恐い、、ですね。。
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・・・では、いつまでに「実現」するのか??
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ここまで、何度も↑↑の前フリをしてきました。
というのも、全文が公開された[3中総会]でなされた宣言の中に
非常に[興味深い記述]を見付けたからなんです。
それは、、
● [2020年まで]に、
重要・肝心な分野で【決定的な成果】を挙げる!と。
なぜ、[2020年]なのか?
それは、、
● [2020年]は、中国共産党成立[100周年]
だったのです!
[100年目標]と題して、はっきりと宣言していました。
[2020年]までに
● GDPと国民所得を[2010年時の倍]にする! と。
・・・こういう理由なら、強引であろうが何だろうが、
メンツにかけて【決定的な成果を挙げる】を何が何でも
「実現」させてくるんだろうな~、、、と。
思わずにはいられません。
来年あたり、いよいよ・・・なのかもしれません。
[給与の集団協議]が、本格的に導入されるのは。。
コゾノ式 良くなる人事・組織研究所:小園英昭