◎ コゾノ式 良 く な る 通 信 ◎ 第61号
2014年[5大ニュース]から読み解く
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━:2015.01.07発刊:◎◎◎
◎ 61号のポイント
2014年の中国人事系「5大ニュース」から読み解く
「激動の2015年を乗り越える」傾向と対策(前篇)
コゾノです。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で主人公が訪れた「未来世界」の年が
2015年。
世界情勢を見ていても、何だか「激動」の予感もただよっている気がします、、が。
中国国内は、どうなっていくんでしょう?
2014年の「人事系主要ニュース」を整理していて感じたのですが、
これまでの「激動の数年間」と比較すると、、
◎「とある傾向」
・・・が読み取れる気がしています。
「傾向」がわかれば、「対策」の方向性も見えてきます。
そこで、今回はコゾノ式メールマガジン「新年号」として、、
「激動の2015年を乗り越える」傾向と対策(前篇)
をお送りします。
「前篇」の今回は、ざっくりと
◎ 2014年の中国人事系「5大ニュース」
をまとめてみました。
また、そこから読み取れる「傾向」をコゾノの独断と偏見に基づいて読み解いてみました。
当たるかどうかは分かりません(笑)。
ただ、現地に張り付き続けて、「人事系の政策だけ」を10年以上定点観測してきた視点です。
何らかご参考になれば嬉しいです。
また、次回の「後編」では、その「対策」もお送りする予定です。
2015年の年初だからこそ、ぜひチェックしておいてくださいね!
それでは、今回も最後までお楽しみください。
<今回のポイント>
◎ 2014年の中国人事系「5大ニュース」から読み解く
「激動の2015年を乗り越える」傾向と対策(前篇)
- 中国(上海)の2014年主要5大ニュースをピックアップ
- 2014年ニュースから読み解ける「傾向」とは?
それでは、早速2014年の中国人事系ニュースのトピックスを見てみましょう。
勝手に「5大ニュース」にしてまとめてみました。
大まかには、こんな感じになると思います。
2014年の中国(上海)人事系[5大ニュース]ピックアップ
(1)『 労働契約法の修正 』が施行
→ [派遣規制]が詳細化
上海でも10月を期限にして報告が義務付け。しかし、大掛かりな告知や強制等は結局、行われず。
→ 北京市や江蘇省では、3回目の契約更新時には実質的に会社側の選択権が消失するルールが明確に規定される地方性細則が発効。
(2)『 90日以内のビザ取得 』基準が詳細化
→ 2014年11月に発布された通知ですが、2015年1月1日から施行されています。
一定条件を満たした「90日以内の短期業務」に対して「就業証」を取得しなければならないと規定している他、Mビザ、Fビザの取得区分等についても規定しています。
◎ 原文:
『外国人入境短期業務任務の完成に関連する取扱い手順(試行)を公布する通知』(人社部[2014]78号)
出所:人力資源社会保障部(北京中央政府)
(3)上海市『住宅積立金』騒動
→ 当局側が農村戸籍者にも加入義務付けを図るための方針を画策中
(4)上海市『社会保険』移行の過渡期措置が終了へ
→ 旧総合保険加入者の城鎮保険化へ向けた過渡期期間中の措置が2015年3月で終了。
●(3)(4)の詳細はバックナンバー58号
『要注意!2015年の中国人事コストアップ要因(まとめ)』
(5)『1人っ子政策』の緩和
→ 上海でも2014年3月以降、夫婦双方ともに1人っ子の場合などで2人目の出産が可能に
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他にも「戸籍制度の緩和」や、「国有企業の給与制度改革」などモロモロありますが、日系企業の事業活動に直結して来そうなので、この5つを選んでみました。
こうして並べて見てみると、この5つ全てが
◎ 今まで「あいまい」だった基準が明確になった
◎ 今まで「検討」されていた課題に方針を明確にした
内容ばかり、、、とも言えます。
決して、「真新しいモノ」ではないんですね。
例えば、
(2)『 90日以内のビザ取得 』基準が詳細化
コチラについても、2013年に制定された新基準をさらに詳細化した規定と言えます。
実際に、以前から「90日以上の滞在には就業証!」という規定はありました。
▼コチラ▼
◎バックナンバー21号(2013.5.16号)
『90日以上の滞在で「就業証」の取得が義務になる!?』
また、
(1)『派遣規制』も、長く検討されてきた課題でしたし、
(4)『社会保険』も、2010年の『社会保険法』で規定された
これらについても、、
「外国人も含めて、公平な社会保険に加入させる」方針に合致したものです。
なので、不思議ではありません。
(5)『1人っ子政策の緩和』についても、
2013年11月の「3中総会」で方針として掲げられていました。
◎バックナンバー35号(2013.11.20号)
『日本のマスコミは教えてくれない「3中総会」3つのポイント』
そして、
今ウワサされている『賃金条例』についても、この2013年の「3中総会」での
● 所得の『格差縮小 ⇒ 平均向上』の方針
に則っているだけ、、とも言えます。
こうして、2014年の人事系「主要ニュース」を振り返ると、
真新しいモノが発表されているのではなく、
あいまいだったことが徐々に明確化されている、、
といった「共通点」が見えてきます。
さすが、1党独裁ですが10年間の政権が決まっている強みなんでしょうか。
どこかの国とは違い、打ち出した方針を着実に実施していると言えそうです。
こんな[共通点]から、中国が
「真新しい法律」を生み出すような
「急成長」の混乱ステージが終わり、、、
「基本方針を詳細化、整備していく」という
「安定期」のステージに移行している、、
そんな[傾向]が見て取ってしまうのは強引でしょうか。
2015年度中に発布される・・・とウワサの『賃金条例』についても、
一部の人が騒いでいるほど「大げさ」なものにはならないのでは??
と個人的には考えています。
実際、現時点でも四川省や広東省、杭州市などでは一足先に
『給与の集団協議』の規定は実施されています。
この一部地方で実施している内容から大きくかけ離れることなく
「ほぼほぼそのまま反映される」ことになるのではないかな、、
と予想しています。
(つまり、そこまで敏感になる必要はなく対策することも充分可能なレベル)
※ この辺りの背景については、▼コチラ▼をご覧ください。
◎バックナンバー15号(2013.04.09号)
『「賃金条例」のゆくえ』
※ この号の記事の中に「四川省」の規定も詳しくご紹介しています。
※ 広東省では既に正規の通知が発布されていますが記事の内容(2013年4月発刊)では「意見徴収案」の段階となっていますので、ご注意ください。
こうしてみてみると、
中国国内の人事施策の[傾向]とは、
◎[成長期]から[安定期]へ
こんな「キーワード」で表現できるのではないでしょうか。
いかがでしょう。
貴社でも、こんな傾向は出ていないでしょうか?
■ 無固定契約の従業員が増えてきた
■ 定着率が一時期に比べると安定してきた
■ 不満もあるが、ある程度幹部層が育ってきた
[社内的]には[安定期]に入りつつある傾向が出ている、、、のかもしれません。
一方で、私たち在中国・日系企業を取り巻く[外部環境]は「激動」です。
□ 乱高下する為替、
□ 既存の中国事業(収益モデル)の限界、
□ アセアンを始めとする周辺諸国の台頭、
などなど。
[安定]している内部と、[激動]の外部環境のハザマで
2015年以降は、どんな「対策」をしていけば良いのだろう??
次回、「後篇」ではそんな疑問にお応えすべく、、
◎ 組織論的に見る[対策案]
について、お送りします。
「某大手中国系民営企業」で実際に行われている、、
●「シンプルな3つのルール」だけで、ホワイトカラー従業員が自主的にサービス残業する[仕組み]
も公開します。
きっと「目からウロコ」情報ですよ!
楽しみにしていてくださいね!
それでは、また次回
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コゾノ式 良くなる人事・組織研究所:小園英昭
—
「??だらけ」の中国労務関連情報を[わかりやすく]、現場で[使える情報]にして[タイムリーに]お届けするメールマガジンを発行しています。
よろしければ、以下のフォームからご登録ください。
完全[無料]ですので!
お申込み、ありがとうございました!